岡本進
新型コロナウイルスの感染拡大による昨年春の臨時休校が埼玉県内の小中学生の学力に影響を及ぼしたかどうかを調べたところ、小学生の算数の学力が低下した可能性があることがわかった。慶応大学総合政策学部の中室牧子教授(教育経済学)が、埼玉県教育委員会からデータの提供を受けて分析した。
さいたま市を除く県内の小学4年生から中学3年生を対象に、3カ月に及んだ臨時休校の前後の県学力・学習状況調査(2019年4月実施分と20年6、7月実施分)の結果を比べた。国語の学力への影響は見られなかったものの、算数・数学で変化があった。
埼玉県教委「小さくはない影響」
中2、中3ではさしたる差は見られなかったが、小4、小5で差が大きくなった。各学年とも21レベルの学力基準にわけているが、小4、小5では全体で2~3レベル学力が落ちた。
県教委の八田聡史・義務教育指導課長は「すべてがコロナの要因とは言い切れないが、小さくはない影響が出た。算数・数学は積み上げ型の学問なので学力差が出やすい。小4、小5だと学習習慣がまだついていないので、保護者や教員が勉強を見ないといけない。その違いが出たのではないか」と話す。(岡本進)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル