新型コロナウイルス対策に伴う休業要請の解除をめぐり、近畿6府県の対応が15日、出そろった。大阪府が独自基準「大阪モデル」を示した後、京都府や兵庫県も基準を策定。滋賀、奈良、和歌山の3県も大阪に合わせて休業を解除し、近畿圏が関東圏に先駆けて足並みをそろえる形となった。「ウイルスとの共存」に向けて、それぞれの地域に合わせた新たな行動基準が作られつつある。
「京阪神は経済圏が一致している。自粛解除の範囲はそろえるべきだし、実現できたとすればよかった」
大阪府の吉村洋文知事は15日、京都府と兵庫県の解除決定を受け、記者団にこう述べた。
大阪、京都、兵庫の3府県は引き続き緊急事態宣言の特定警戒に指定されている。事務方が解除の範囲などを調整し、対象施設はほぼ一致した。感染拡大を防ぐためには府県境を越えた往来の自粛が求められる。
京都府は4項目の判断基準にのっとり、16日午前0時から段階的に休業要請を解除。京都市も18日以降、京都市動物園や二条城などを再開するが「広域的な移動を促さないため」としていずれの施設も利用者は京都府民に限定している。
京都府の西脇隆俊知事は「大阪、兵庫とは一定の経済圏を共有していて、ある程度歩調を合わせることが感染拡大防止につながると思っている」と話した。
兵庫県では特に神戸、阪神間地域が大阪府との交流圏域にあたり、自粛要請の強度に差があれば、府県境を越えた往来を助長する危険性があるとして、これまでも大阪と歩調を合わせた対策を取ってきた。
井戸敏三知事は15日の会見で「兵庫と大阪は交流圏としての関係が強い。整合性をもって同じようにしないといけない。基本的に解除対象や時期などは合わせた」と説明した。
一方、3府県より先に緊急事態宣言が解除された滋賀、奈良、和歌山の3県も警戒態勢を崩していない。
15日に全面的に休業要請を解除した滋賀県の三日月大造知事は、京都や大阪を念頭に「注意、警戒は緩められない」と強調し、関西圏で引き続き連携を取っていく考えを示した。
奈良県では大阪に通勤・通学する「奈良府民」が多く、一定の往来は避けられない。荒井正吾知事は「接客を伴う飲食店など感染する可能性のある場所への訪問は避けてほしい」と強く呼びかけた。16日午前0時に休業要請を一部解除すると決めた和歌山県。対象業種は大阪と大筋で足並みをそろえた。仁坂吉伸知事は府県境をまたぐ往来自粛を求めた上で「大阪より緩めれば和歌山に来てしまう。厳しくすれば、県民が大阪に行ってしまう。大阪とできるだけ基準を合わせる必要がある」と説明した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース