子どもたちが遊ぶ声や音への一部の住民からの苦情がきっかけで、長野市が3月末での閉鎖を決めている青木島遊園地(同市青木島町大塚)を巡り、同市の荻原健司市長は11日、公園の存廃をあらためて検討する考えを明らかにした。地域住民を集めた地元説明会後、荻原市長は報道陣の取材に「廃止ありきではなく、意見を踏まえて最終的に判断する」と述べた。
この日、青木島遊園地近くの公民館であった廃止についての地元説明会は報道陣に非公開で開催され、地域の住民ら267人が参加した。
市などによると、説明会では「子どもたちが毎日40~50人で一斉に遊ぶ状況になり、大きな声や音が発生していた」「ボールの宅地への飛び込み、サッカーのリフティング、花火の音など騒音も発生していた」など遊園地の利用を巡る状況を説明。「近隣住民からご意見を頂くようになった」として、一度に遊ぶ人数を減らすなどの対策もとられたものの「子どもに静かに遊べというのは困難」などと廃止を判断したとした。
荻原健司市長「区長に地域のことを任せすぎた」
ただ、住民からは、市側などとの話し合いの結果、昨年1月に地元区長会が提出した遊園地の廃止要望書をふまえた市の決定について、「区長会から市へ廃止やむなしと意見があったということだが、もう一度地域で考えさせて」などと廃止反対の意見が相次いだという。説明会は、1時間~1時間半の予定だったが、約2時間に及んだ。
市によると、1月31日現在で電話やメール、手紙などで約1千件の意見が寄せられており、大半が反対の意見という。
荻原市長は報道陣の取材に、「(住民から)存続して欲しいという声が大きかった。意見を受け止めて最終判断したい」と述べた。また、「問題が大きく報道されたことで、区長さんも戸惑っている。反省すべき点としては区長さんに地域のことを任せすぎたこと。今日の地域の意見を判断材料として熟考したい」と話した。一方、存廃の再判断の時期については「廃止か否かを判断する期限は決めていない」と述べるにとどめた。(遠藤和希)
近隣1世帯「遊ぶ声がうるさい」と苦情
市が管理する青木島遊園地は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル