動物由来の皮革に代わって、農産物を使った新たな「レザー」の商品開発が進んでいる。石油が原料の合成皮革に比べて環境への負荷が小さく、動物福祉にも配慮した取り組みだ。農業が盛んな長野県内では、特産品を生かした新商品の販売、生産に向けた準備が本格化している。
服飾雑貨などの開発、販売を手がける長野市の「SORENA(ソレナ)」が5月に新商品としてお披露目したのは「りんごレザー」。企画した同社の伊藤優里社長は県庁で開いた発表会見で「信州を代表する、世界に誇れる製品にしていきたい」と語った。
動物からつくった皮革や毛皮製品には、動物福祉や環境保護の観点から厳しい視線が注がれるようになってきた。2017年には高級ブランドのグッチが毛皮の使用をやめると宣言。他のブランドでも皮革や毛皮の使用を避ける動きが広がる。
一方、「フェイクレザー」とも呼ばれる合成皮革や人工皮革は、製造する過程でポリウレタンなど石油原料を使うのが一般的。より環境に優しい、リンゴを使った合皮が海外でつくられていると21年に知った伊藤社長は「日本でもできないわけがない」と考えた。
リンゴ産地の自治体やメーカーと共同開発
長野県のリンゴ収穫量は全国…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル