能登半島地震で、倒壊した7階建てのビルに押し潰された石川県輪島市の自宅兼店舗のがれきの中から7日、腕時計が見つかった。ここで居酒屋を営んでいた男性が、がれきの下で亡くなった妻からもらった誕生日プレゼントで、ずっと捜していた。
「あったよ! 時計!」。7日昼、楠健二さん(55)は、腕時計をがれきの中から見つけると、声を上げ、笑顔を浮かべた。
1月1日の地震発生当時、3階建ての自宅兼店舗に家族5人でいた。妻の由香利さん(当時48)と長女の珠蘭(じゅら)さん(当時19)を失った。
腕時計は、昨年4月の誕生日に由香利さんからサプライズでプレゼントされた。「大人として、ちゃんと時間を守ってね」という言葉とともに。楠さんは「時間を守れなくて、妻に怒られてばかり。それを楽しんでたのかもしれないけど」と懐かしむ。いつもテレビの上に飾り、特別なときだけ身につけていた。
地震後は、前に住んでいた川…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル