台風15号の影響で大規模な停電が発生した千葉県内では、東京電力が停電情報軒数「ゼロ」と発表した後も、電気の通っていない地域がある。高圧線から各家庭につなぐ引き込み線などが切れているためだ。電気の来ない被災者には、先行きが見通せない不安がのしかかる。
「見捨てられた集落というやつですよ」。鋸南(きょなん)町市井原の農業、森比佐之さん(42)宅は25日現在も停電が解消されていない。街中から車で約15分の山間部にある集落で、他にも数軒が停電したままだという。
4年ほど前、妻と東京から移り住み、ネコ2匹と暮らす。夏みかんやスイセンの花を栽培し、近くの海でサーフィンを楽しむ。そんな生活が一変した。
暴風雨で母屋の屋根はトタンがはがれて雨漏りし、農機具を入れる倉庫も屋根や壁がはがれ落ちた。街へ向かう道は倒木や土砂崩れで寸断され、集落ごと「孤立」した。
電気と水が止まり、自宅脇にテ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル