黒田早織
兵庫県伊丹市の小学生女子バスケットボールクラブに所属する女子児童3人への強制わいせつ罪に問われた、元小学校長で同クラブコーチの男(71)の公判が14日、神戸地裁伊丹支部で結審した。検察側は「小学生を相手にゆがんだ性的欲望を満たす常習的犯行」だとして懲役7年を求刑。弁護側は「客観証拠はなく児童らの供述は信用できない」と無罪を主張した。判決は3月13日の予定。
起訴状などによると、被告は2021~22年、コーチをしていたバスケクラブの練習中、所属する女子児童3人をミーティングルームや体育館の舞台袖へ個別に連れ出し、胸や下腹部を触るなどしたとされる。
検察側は論告で、児童らは指導だと信じたり逆らえば試合に出られないと思ったりして抵抗できず、「指導者の立場を利用した極めて悪質な行為」だと指摘。被告と他にトラブルのなかった児童らが虚偽の供述をする理由もなく、児童らは今も男性に恐怖感を抱き学校に行けなくなるなど、影響は深刻だと主張した。
弁護側は、被害児童らを個別に連れ出すのを見た目撃者がいないことや、体育館の舞台袖は人目につくなどと指摘。「こうした場所でわいせつ行為に及ぶとは考えられない」などと主張した。
児童らが訴えた行為の多くは「指導における身体接触」で、下腹部を触るなどの明らかに指導と関係のない行為については「捜査機関や憤慨する母親に迎合して証言した」などとした。(黒田早織)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル