虐待を受けた疑いがあるとして、全国の警察が昨年1年間に児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもは、前年より1万7590人(21・9%)多い9万7842人(暫定値)だった。統計が残る2004年から毎年増えており、過去5年間では2・6倍になっている。警察庁が6日に発表した。増加理由について、同庁は「国民意識の高まりなどにより、通報や相談が積極的になされていること」などを挙げている。
内容別では、心が傷つけられる「心理的虐待」が最も多い7万441人(前年比22・6%増)で、全体の7割。そのうちの6割は、子どもの前で親が配偶者らに暴力を振るうなどの「面前DV」によるものだった。警察が両親間の暴力などに対処する過程で明らかになったものが目立ったという。
ほかは、体を傷つける「身体的虐待」1万8219人(同22・8%増)、「育児放棄(ネグレクト)」8920人(同15・5%増)で、「性的虐待」は2人多い262人だった。
親などを児童虐待で摘発した事件は1957件。前年比577件増で過去最多だった。この内訳は、身体的虐待が大幅に増えて前年比534件増の1629件。ほかは性的虐待243件、心理的虐待50件、ネグレクト35件だった。
警察庁のまとめでは、昨年1年間に警察が認知(把握)した刑法犯は74万8623件(暫定値)で、前年を8・4%下回り、5年続けて戦後最少を更新した。
ただ、児童虐待事件が増えてい…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル