児童養護施設で暮らす子どもたちの生活環境を改善するため、こども家庭庁は、スマートフォンを所持しやすくする環境整備に乗り出す。施設側への財政支援も含めて検討する。小倉将信こども政策担当相は10日、東京都内の児童養護施設を視察後、記者団に「(年末の)予算編成過程の中でしっかりと検討する」と述べた。
スマホの所持は現在、施設の判断に任されている。ただ、財政面の制約もあり、所持しづらい状況が続いていた。同庁によると、友人同士のコミュニケーションに影響が出たり、学校などから必要な情報を直接得られなかったりする現状がある。こうした状況を受け、同庁は、財政措置も含めて検討することにした。
小倉担当相はこの日、水泳など体験型の習い事についても、子どもたちが通いやすくなるような方策を予算編成過程で検討すると表明した。
児童養護施設は現在、最長22歳まで利用でき、全国で約2万3千人が入所している。利用する子どもの平均年齢は上がり、虐待が原因で入所する子どもの割合も増加しているため、よりきめ細かい対応が求められている。国は、家庭により近い環境での養育を推進し、児童養護施設の小規模化や多機能化を図っており、小倉担当相はこの日、先進的な施設として「至誠学園」(東京都立川市)を視察した。(高橋健次郎)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル