白石昌幸
フグの本場、山口県下関市の南風泊(はえどまり)市場で25日未明、シーズン到来を告げる初競りがあった。この日の天然トラフグの入荷量は昨年より120キロ少ない80キロで「過去最少レベル」。厳しい残暑で海水温が高く、例年より漁獲が少ないという。最高値は1キロあたり2万2千円で昨年より6千円高くなった。
午前3時20分、開始の合図のベルが鳴ると、競り人が威勢のいい声を上げながら、筒状の袋の中で指を握り合って価格を決める独特の「袋競り」を進め、日本海や豊後水道でとれたトラフグを次々と競り落としていった。養殖トラフグも1トン(昨年1・5トン)と、量が少ない中での初競りとなった。
市場を運営する下関唐戸魚市場の郷田祐一郎社長(60)は「コロナの影響を受けないフグの季節は4年ぶり。インバウンドや外食の需要が高まるので、おいしいフグをしっかりと供給したい」と話していた。(白石昌幸)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル