国の省庁などがつくる横書きの公用文について、読点に「,」(コンマ)を使うルールを約70年ぶりに改め、「、」(テン)とする――。文化審議会国語分科会が、そんな提案を打ち出した。1952年にできた「公用文作成の要領」の見直しを議論しており、今年度末までに報告書をまとめる予定で、文化庁は政府内で周知したい考えだ。議論を受け、学校教科書の表記も変わるかもしれない。
「公用文作成の要領」は国語分科会の前身「国語審議会」が作り、官房長官が各省庁に周知徹底を呼びかけ、今も効力がある。文化庁によると、戦前~終戦直後の公用文は漢字・カタカナ交じりの文語調で、当時は漢字・ひらがな交じりの口語調に改良しようという流れがあった。要領は「公用文を、感じのよく意味のとおりやすいものとする」とし、「打ち消しの『ぬ』は、『ない』の形に」などの言い換え例を示し、横書きの読点にはテンではなくコンマを使うと定めた。
横書きでコンマが登場した背景について、同庁の担当者は「日本語は長く縦書きの文化だったが、戦後、作業効率の良さなどから公用文に横書きを導入した。多くの人々にとって全く新しい書き方だったため、英語などの句読点の表記にならったのでは」とみる。
だが半世紀以上がたち、行政に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル