大学入学共通テストは14日、数学と理科が行われ、全日程が終了した。一昨年に平均点が過去最低となった数学Ⅰ・Aの問題は、今年はどうだったのか。河合塾の木村雅一講師(数学)に分析を聞いた。
――数学Ⅰ・Aの難易度は。
昨年(平均点55・65点)とほぼ同じか、やや難しくなった印象です。平均点は若干下がり、50点台前半ぐらいになるかもしれないとみています。難しめの問題が多かった一方、解答のヒントになるような「誘導」を多く入れたことで、解きやすくなっています。ただ、読まなければならない文章量が多くなり、時間が足りなくなった受験生もいたと思われます。
ただ、平均点が37・96点と過去最低だった一昨年に比べれば、分量は抑えられていました。
測量問題、正答率低い傾向
――特徴的な問題は。
第1問の太陽光の向きと電柱の影を巡る三角比の問題は、実社会の題材を取り入れた共通テストらしい出題でした。
こうした測量問題は一昨年にも出ましたが、正答率が低い傾向がありました。今回も苦戦した受験生は多かったのではないでしょうか。測量問題についての事前の対策の有無で差がついたと思われます。
また、第2問の図形の面積を二次関数で表す問題は、関数の式を設定するための誘導がなく、自力でしなければならなかった点が難しいと感じた受験生も多かったでしょう。正答率が低くなるかもしれません。
――大問全5問中、2問は必答問題で、3問はうち2問を選ぶ選択問題です。
選択問題のうち、図形の線分比の問題は丁寧な誘導がついているうえ、選択肢のなかから選ぶ問題もあり、解答が比較的、楽だったと思います。
一方、確率の問題は、読まなければならない分量が多いうえ、問題の後半は誘導が少なく、前半の問題で出てきた考え方を応用して解く思考力が求められました。問題ごとに難易度のばらつきがあり、どの問題を選んだかによって差がついたでしょう。
■2次試験に向けて…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル