滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者への殺人罪で服役後、再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(40)が25日、国と滋賀県を相手取り、約4300万円の損害賠償を求める国家賠償請求訴訟を大津地裁に起こした。弁護団は捜査の違法性を明らかにしたいとする。
西山さんは、任意捜査では否認したが、担当の男性刑事に恋愛感情を抱いて「自白」したとされる。公判で再び否認したが懲役刑が確定。17年に出所した。
訴状では、県警が担当刑事を変えずに起訴後も取り調べ、西山さんをマインドコントロールして自白を維持したと主張。患者が自然死した可能性を指摘する捜査報告書を検察に送致せず「違法な証拠隠しだ」などと訴える。起訴した大津地検、再審開始決定に特別抗告した大阪高検の判断も問う。
西山さんは会見で「お金は大事じゃない。私の事件を教訓に捜査のあり方を変えてほしいと訴訟を決意した」と話した。(新谷千布美、安藤仙一朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル