浴室で動けなくなっていた高齢男性が、通行人による通報のおかげで事なきをえる。そんな救助劇が、京都府宇治市で6月にあった。通報したのはベトナム人留学生の男性。「とっさに対応できない日本人もいる。勇気ある行動」として、消防署から感謝状を贈られた。
留学生はグエン・バン・ドックさん(23)。奈良市の専門学校で、IT(情報技術)を学んでいる。
首都ハノイの南にあるフンイエンで生まれ育ち、中学生のころからドラえもんやドラゴンボールなどのアニメで日本文化に興味を持ってきた。「ルールに厳しい日本の会社で自分を成長させたい」と、2018年に来日。日本語は京都市の語学学校で2年間学んだ。
その日は夕方にスーパーで買い物をして、宇治市伊勢田町の自宅へ自転車で帰る途中だった。近所の家の前で、おばあさんがこう言っているのが聞こえた。
「助けてください」
日本人から「助けて」と言われたのは初めて。驚いたが、そんな場面は日本の映画やマンガで見たことがあった。
「何があったんだろう」。心配しながら、おばあさんに案内されて一緒に家の中へ。すると、夫で80代のおじいさんが風呂場で座ったまま動けなくなっていた。呼吸も弱々しかった。
「何とかしないと」と、すぐにスマートフォンで通報した。救急車を呼ぶ方法(119番通報)は覚えていなかったが、110番はスマホに登録していた。
念のため、スマホに登録していた「A警察」
「どんな国でも災害があるし…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル