元文部科学事務次官の前川喜平氏(64)は12日、甲府市のJR甲府駅前で開かれた参院選山梨選挙区の野党統一候補を支援する集会で、教育勅語の内容に普遍性はないと批判したが、文科省時代には国会で「今日でも通用するような内容も含まれている」と答弁していた。
前川氏は集会で、安倍晋三首相を「歴史改竄(かいざん)主義者」と非難。「このまま行くと教育勅語が復活する」とした上で、政府が平成29年に教育勅語を「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではないと考えている」とする答弁書を閣議決定したことに触れ、「現に一部の私学では教育勅語を使って授業している」と指摘。
「教育勅語に普遍的な内容が含まれているというのは嘘。教育勅語にはどこにも普遍的な内容は含まれていない」と教育勅語の徳目性を否定し、「『君に忠』を命じている。片仮名で『君にチュー』と書くと別の意味になる」などと、だじゃれも交えた。
しかし前川氏は文科省初等中等教育局長だった26年4月8日の参院文教科学委員会で、和田政宗氏(みんなの党)の質問に対し「教育勅語の中には今日でも通用するような内容も含まれていて、これらの点に着目して学校で活用するということは考えられる」と答弁していた。
4月25日の衆院文部科学委員会で宮本岳志氏(共産)から「重大な答弁だ」と追及されても「教育勅語に列挙された徳目の中には今日でも通用するような内容も含まれており、その内容に着目して活用するということはあり得る」と見解を変えなかった。
このときの答弁について前川氏は最近になって、当時の下村博文文科相から「教育勅語の活用は差し支えない」と答弁するよう求められたが、「考えられる」と言葉を濁した-と説明している。
前川氏は文科省の組織的天下り問題で29年に事務次官を引責辞任。その後、東京・新宿歌舞伎町の出会い系バーに出入りしていたと報じられ「貧困女性の実態調査」と弁明していた。
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