台風19号が上陸して19日で1週間。長野県佐久市と東御市で車ごと濁流にさらわれたとみられる男性2人はまだ見つかっていない。手がかりを求め、千曲川の沿岸ではきょうも捜索が続く。
「いま思えば、あの時止めておけば……」
佐久市入沢のタクシー運転手三石量正(かずまさ)さん(68)の妻、たか枝(え)さん(70)は悔やむ。
12日は、午前中から激しい雨が降っていた。自宅の前を走る道路は細く、脇を流れる千曲川の支流・谷川(やがわ)は増水していた。家の玄関周りに水が流れ込むのを防ごうと、三石さん夫妻は同居する息子らと土囊(どのう)やコンクリートのブロックを積んでいた。
夕方5時半過ぎ。量正さんが「土囊をもう少しもらってくる」と家を出ようとした。外はたたきつけるような雨だった。危険だと感じたたか枝さんは「せめて携帯電話は持って行って」と量正さんを追った。玄関を出たときにはもう、量正さんは軽トラックに乗って出かけていた。
土囊を配っていた小学校までは…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル