全国でイノシシやシカなど野生動物の生息域が広がり、農作物の被害がやまない。人口減少や高齢化による耕作放棄地の拡大が要因とみられるが、従来いなかった東北や北陸に入り込んでいるのは、気候変動に伴う温暖化が一因との指摘もある。被害の一方で、野生動物を地域おこしに生かす試みもある。
秋田と青森でイノシシ初確認
岩手県遠野市の山あいにある小友町の集落には、田んぼが一面に広がる。12月初め、足元にはあちこちにニホンジカのフンや足跡が残っていた。
収穫直前に田んぼを荒らされた菊池陽佑さん(37)は「年々食害がひどくなっている」とため息をつく。
肥料と農薬を使わない米作りを始めて11年になる。被害を防ごうと、これまでも電気柵、今年はネットを巡らせ、敷地にわなも仕掛けたが、被害はやまない。
最近は近所でイノシシも現れ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル