台風19号による豪雨のため千曲(ちくま)川の氾濫などで長野市内で浸水した地域について、長野県の対策本部は14日夜、救助活動を完了した、と発表した。
対策本部によると、千曲川の堤防が決壊して浸水した穂保(ほやす)地区付近の地域では、救助要請があったうち少なくとも38人と、孤立した病院や介護施設に200人以上が取り残されていたが、県警や消防、自衛隊が14日朝からヘリコプターや車両を使って救助した。
ただ、同地域で男性1人が心肺停止の状態で見つかり、ヘリコプターで救助されたあと、病院に搬送されたが死亡が確認された。70~80代とみられる。長野市消防によると、男性は妻とともに、県警が同日午前9時15分ごろに発見。妻は意識があり、命に別条はないという。
県警と消防、自衛隊はこの日、長野市内でほかに浸水した篠ノ井地区、松代地区も含め全4518世帯を訪問。住民から聞きとりをしたり、救助要請の情報などとつきあわせたりした結果、現時点では「行方不明者はいない」とみている。だが、住宅の中へは入っていないため、15日以降は民生委員や区長らの協力を得て安否確認は続ける。
阿部守一知事はこの日の対策会議で、「残念ながら、1名の死亡が確認され大変残念だが、この3日間で(県内全体で)1132名を救出いただけた。未曽有の大災害のなかで大変ありがたい」と述べた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル