カジノを含む統合型リゾート(IR)について、誘致の是非を検討してきた千葉市の熊谷俊人市長は7日の定例記者会見で、「国から示されているスケジュールでのIR誘致は行わない」と述べ、申請見送りを表明した。台風被害からの復興を優先するなどの理由を挙げ、IR誘致をめぐる汚職事件の影響は「ない」と否定した。
国の意向調査にIR誘致を「予定・検討している」とした8地域で見送りを表明したのは、昨年11月の北海道に続き2カ所目。
国が公表したIR地域整備計画の申請期間案は2021年1~7月。熊谷市長は「市の想定より短い」とした上で、昨秋の台風15号をはじめとする災害の影響もあり、「県など関係者との調整や法に定める手続きに十分な時間をとることができない」と述べた。
千葉市では、羽田空港と成田空港の中間に位置し、幕張メッセがある幕張新都心(美浜区)がIR誘致の有力な候補地とされる。市議会や県議会に誘致を求める議員連盟ができる一方で、市民には反対の動きも出ていた。熊谷市長は「幕張新都心の活性化を果たしていく中で様々な検討、研究をしていく」と述べ、今後も市としてIRの研究を続ける考えを示した。(寺崎省子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル