横浜港で9月、南アフリカからのコンテナが一つ、陸揚げされた。提出された書類に目を通した横浜税関の職員は、ふと違和感を抱いた。そこから、1カ月に及ぶある特殊な捜査が始まった。
日本から約1万3千キロ離れた、南アフリカ東部の港町、ダーバン。8月下旬、この港を1隻の船が出航した。積み荷には、工作機械が入った日本向けのコンテナ一つが含まれた。
コンテナは9月中旬に上海で別の船に移され、同月21日に横浜港に到着。南本牧ふ頭で陸揚げされた。
10月1日、輸入手続きを代行する通関業者が、このコンテナに関する輸入申告書類を横浜税関に出した。
「プラスチック射出成形機」
品目は英語でそう記されていた。プラスチックを熱で溶かし、金型に流し込んで成形する工作機械のことだ。輸入者は都内にあるミネラルウォーターなどの製造販売会社となっていた。
「南アフリカからそんな機械を?」
確かに実在する機械だが、海外…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル