陸上自衛隊が南西諸島の離島などで過去最大規模の戦時医療訓練を行っている。1日はヘリによる戦闘地域で負傷した人たちの輸送などがあった。中国の海洋進出を念頭に南西諸島の部隊増強が進むなか、戦傷への構えが急ピッチで進められていた。
訓練は鹿児島県の徳之島の防災センターに「野戦病院」が設置され、負傷者を熊本県に搬送するという内容。実際の離島を戦時医療の拠点とした実地訓練は自衛隊史上初めてという。
だが、悪天候のため、負傷者の搬送に使われるヘリ部隊「第109飛行隊」が徳之島に予定通り着陸できない事態に。急きょ、野戦病院では医療専門の隊員らが、運び込まれた負傷者の処置の優先順位をつけていき、応急の治療を実施したという。
「けがの程度から助かるかどうかを判断し、スムーズに輸送しないといけないが、簡単に思い通りにはいかない。離島の難しさを身をもって知った」。ヘリから降りた隊員はそう口にした。飛行隊はその後も、気象の分析を続け、徳之島に向かうタイミングを探っていた。幹部自衛官は「陸路のない離島で、一刻を争うような戦傷者を救えるかどうかは空輸にかかっている」と語った。
背景に中国の海洋進出
今回の訓練を行う背景に、海洋…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル