東京電力福島第一原発事故から10年。教訓を踏まえて国が進めてきたはずの原発の安全審査に、司法が「ノー」を突きつけた。大阪地裁は4日、関西電力大飯3、4号機の設置許可を取り消す判決を出した。運転停止を求めてきた人たちに喜びが広がり、立地地域には動揺が走った。
4日午後、大阪地裁202号法廷。森鍵一(もりかぎはじめ)裁判長が主文を読み上げると、傍聴席から「よしっ」と声が上がり、法廷がどよめく。数分後、地裁前で「勝訴」と記された旗が掲げられると、歓声や拍手が起きた。
「(提訴から)8年半にわたって戦ってきた成果。素晴らしい判決だ」。判決後、大阪市内で開かれた会見で、原告側の共同代表、小山英之さん(80)は、こう語気を強めた。
福島第一原発事故から来年3月で10年。今回の判決は、事故の教訓からより厳しくした国の内規について、判断過程が不十分と指摘するものだった。
小山さんは「『勝てる』という…
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル