久保田一道
法務省は15日、受刑者をはじめ、刑務所や拘置所などに収容されているすべての人を「さん」づけで呼ぶよう運用を改めることを明らかにした。2022年に発覚した名古屋刑務所の刑務官による暴行事件を受けた改革の一環で、年度内にすべての施設に指示する。
同省によると、受刑者らを呼び捨てにすることが多く、事件の検証では「懲役」「やつら」と呼んでいたケースもわかった。25年に刑罰の目的を「立ち直り」と位置づける「拘禁刑」が導入されることも踏まえ、呼び方を改めることにした。
釈放が近い受刑者らを「さん」づけで呼び始めたところ、「違和感」があるとした職員や受刑者がいた一方、「(受刑者らの)反応が柔らかくなった」と手応えを感じた職員もいたという。4月からは収容されているすべての人を対象とする。
また、刑務所では受刑者が職員を「先生」と呼ぶことがあったが、職員の呼称も4月からは「さん」づけとする。
法務省幹部は「受刑者は厳しく対応する相手だという意識が強かった。呼称の見直しは、受刑者を支援の対象ととらえ、関係を見直す象徴的な取り組みだ」としている。(久保田一道)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル