台風19号による豪雨で、長野県内を流れる千曲川の堤防が決壊し、一帯は泥水に沈んだ。国土交通省が堤防の緊急復旧工事をしており、ポンプ車による排水作業が夜通し実施されているものの、依然として水が引かない地域もある。そして、自衛隊や消防などが救助にあたっているほか、NPOなどが懸命に支援活動をしている。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】
国交省によると、決壊したのは、長野市穂保地区の堤防。約70メートルにわたって決壊した。
これを受け、国土地理院は13日、「浸水状況推定地図」を作成し、公表した。
同日午後1時現在、堤防が決壊した現場付近では、約5キロほどの範囲にわたって浸水したとみられるという。
穂保地区の広い範囲で、2~3メートルの深さで水に浸かった。もっとも深かったのは、北陸新幹線の車両が浸水した「長野新幹線車両センター」の北側だったとしている。
千曲川を管理する国土交通省・千曲川河川事務所は、堤防の緊急復旧工事と並行して、ポンプ車での排水作業を進行。6台から28台に増やし、夜通し作業したことで、住宅地に流れた濁流の水位は低下した。
自宅の様子を見に行けたり、自宅内の土砂を掻き出す作業にあたったりできる地域も出てきた。一方で、いまだ水が引かない場所もある。
そうした地域で、被災地支援をしている認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」は13日、ヘリコプターで長野市に入ったという。
災害支援NPOの「アジアパシフィックアライアンス・ジャパン(A-PADジャパン)」と、公益社団法人「シビックフォース(CF)」と緊急合同支援チームを結成。ともに支援にあたっている。
メンバーは、医師4人、看護師1人からなる医療チームのほか、レスキューチームの隊員らだ。
医師や看護師らで構成するDMAT(災害派遣医療チーム)とも連携し、市民センターや小学校などでの診察、患者の他病院への搬送活動に奔走している。
しかし、渋滞や泥水で道路状況が悪く、搬送に悪影響があるという。
また、レスキューチームは、各避難所で物資などニーズの聞き取り調査を実施。
市内にある北部スポーツ・レクリエーションパークでは、屋内運動場を避難所として開いているが、人工芝のグラウンドのため、夜には冷え込んでしまう。
そのため、防寒着、肌着、タオル、お湯を沸かすためのガスボンベやコンロなどがほしい、といった要望があったという。
PWJの広報担当者は「今回の災害は広範囲に渡っていますが、これまでの災害支援の経験を活かし、必要とされるところにできる限りの支援を行っていきたい」と話している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース