関西空港を運営する関西エアポートは9日、台風直撃で利用客が空港内に足止めされたことを想定した訓練をした。新型コロナウイルスの感染症対策として、発熱者の隔離に加え、密閉、密集、密接の「3密」を避ける避難所運営にも取り組んだ。
訓練は、2018年の台風21号で関空と対岸を結ぶ連絡橋が損傷し、約8千人が孤立したことを教訓に、昨年から始まった。
この日は、同社のほか、日本航空や全日空、関空検疫所など7機関の計約70人が参加。まず、第1ターミナル内の利用客に質問用紙を配り、妊産婦や障害者、体調が優れない人らケアの必要な人を把握した。その後、サーモグラフィーで発熱の有無を確認。発熱者とその家族ら濃厚接触者については、マスクとゴーグル、手袋を着けた関西エアポート職員が誘導。個々の間隔を広く取った専用避難所に隔離した。
訓練後、関西エアポートの石川浩司執行役員は「机上の想定と異なり、実際に人を動かして訓練すると課題も見えてきた。これからの台風シーズンに備えたい」と話した。(川田惇史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル