台風19号で大きな被害を受けた宮城県丸森町で、2020年東京五輪の「ホストタウン」への影響が懸念されている。農業を通じて交流を深めるアフリカ・ザンビアのホストタウンに指定されているが、台風被害の復旧が最優先で、ホストタウンの準備の見通しが立たないのが現状だ。町の担当者は「(スケジュールなどを)今後話し合う必要がある」としている。
同町は平成23年、国際協力機構(JICA)を通じてザンビアからの農業研修生の受け入れを決定。28年から3年間、同町の耕野地区を中心に地元農家が農業や養蜂知識を指導する「草の根協力事業」を展開してきた。
今年初めには来年から3年間、同様のプログラムによる研修生の受け入れをJICAに申請。台風19号の直撃を受ける直前に承認されたばかりだった。同町企画財政課の窪田高広主査は「今後も交流事業を続けていくスタンスに変わりはないが、現在の災害対応で今後の(スケジュールの)見通しはまだ考えられない」と語る。
窪田氏によると、ザンビア大使館などを通じて今年初めに東京五輪でのホストタウン登録の打診があり、5月には大会組織委員会に申請。6月には登録が決まった。
ホストタウンとしては、ザンビアの選手団が地域住民と交流したり、日本人選手が同町を訪問して地域住民と交流したりすることが予定されている。また、来年3月には平昌五輪カーリング女子銅メダリストの本橋麻里さんが訪れ、五輪での経験などを講演するプログラムも組まれている。しかし、「(講演などは)予定通り進める方向だが、(スケジュールを)今後話し合う必要がある」(窪田氏)という。
窪田主氏は「やっと断水状況が改善したり、自宅の片付け作業がひと通り終わったりしそうな町民もいる」とした上で、「五輪開催は待ったなしなので、復旧状況を見ながら話し合いを進め、(スケジュールの)見通しを立てたい」と話している。(塔野岡剛)
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