台風19号の雨で千曲川が氾濫し、大規模な浸水被害にあった長野市穂保地区では15日、住民らの復旧作業が本格化した。被災した世帯主やその家族だけでなく、親類らも駆けつけ、家屋や庭に流れ込んだ泥の除去作業などに当たった。
浸水した水は引いたものの、家にこびりついた泥を流すのに使った水が広がり、庭や道に残った泥と混ざり合って、ぬかるみ状態になっている。作業着を身につけた住民らはいずれも長靴を履いて、難航する作業を黙々と進めていた。
泥をスコップですくい、一輪車で道路脇に何回も運んだり、水浸しになった本棚やゴザなど、被害で使用できなくなった家財を所定の場所に持っていく住民らの姿がみられた。
雑誌や書籍をひもでくくり、バケツリレーで外に搬出する家族もあった。作業を手伝っていた高齢女性がぬかるみに足を取られ、転倒するケースも。
おじが被害にあったという旅館業、上倉得司さん(60)は「えらいことになった。まずは屋内の泥を取らないと。畳屋さんも忙しくてなかなか来られないらしい」と話し、高圧洗浄機で壁や床にこびりついた泥を洗い落としていた。
妹の嫁ぎ先が浸水し、復旧作業の手伝いに来た農業、梨本清一さん(68)は「1階の家財はいずれも使えない。行政には被災者が一日でも早く、自分の家に戻れる措置を講じてもらいたい」と注文をつけた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース