高層ビルが多く、舗装された路面が多い大都市だからこそ意外な所で暴風が吹いたり、大規模な浸水になったりする恐れ。
大都市ならではの危険性は
台風19号「ハギビス」。この名前はフィリピンが用意した名前で「すばやい」という意味です。その名の通り、6日午前3時に発生した後、7日午前3時に「強い」勢力に、7日正午に「非常に強い」勢力に、7日午後6時(18時)に「猛烈な」勢力に、急速に発達しました。
台風19号が列島に上陸する際に予想されている勢力は「非常に強い」です。また、上陸が予想される地域は「東海から関東」、上陸が予想される時間帯は「12日(土)の夕方から夜にかけて」です。
水温の高い海域を進み、エネルギーを補充しながら、それほど衰えることなく、広い範囲を暴風域に巻き込みながら大都市へ直撃すると予想されている今回の台風19号。大都市というのは一つのポイントになります。
大都市では高層ビルが立ち並んでいます。高層ビルによって風の通り道がふさがれ、ビルを避けるように風が吹くようになります。その結果、ビルとビルの間で風が集中し、局地的な突風となることがあります。いわゆる「ビル風」です。東京都心の場合、高層ビルが1棟、2棟・・・に留まらず、数えきれないほど建っています。東京地方で台風の接近、上陸に伴い、12日(土)に予想される最大瞬間風速は60メートル。この数字だけでもかなり驚くほどで、電柱や幹の太い樹木も根こそぎ倒れてしまほどの強さですが、これに「ビル風」の効果が重なると、さらに威力を増した風が吹く恐れがあります。
また、大都市では舗装された道が多く、アスファルト等で覆われていることから、大雨になった場合は排水能力の限界を超えて、行き場をなくした雨水が内水氾濫を起こす危険性があります。地上で浸水すると地下鉄や地下道、地下駐車場などの地下空間に一気に水が流れ込む恐れもあります。
そのほか、大都市においては商業施設などに設置された多くの看板が暴風によって飛んでくる、人口密度が高いことから避難所が混雑する・・・・なども考えられます。
日本気象協会 本社 相原 恵理子
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