佐賀県は29日、国特別史跡の吉野ケ里遺跡(佐賀県吉野ケ里町、神埼市)で、弥生時代後期の石棺墓が出土した、と発表した。邪馬台国の時代と重なる2世紀後半~3世紀半ばのものとみられ、同遺跡の石棺墓では最大。県は「吉野ケ里遺跡最盛期の有力者の墓の可能性がある」とみている。
吉野ケ里は、紀元前5世紀ごろから紀元3世紀中ごろまで続いた弥生時代の代表的な大環濠(かんごう)集落の遺跡。今回の石棺は、これまで発掘されていなかった「謎のエリア」と呼ばれる場所で見つかった。
石棺は4枚の石蓋(ぶた)で閉じられ、全長は約2・3メートル。蓋の最も厚みがある部分は約17センチ。墓坑(ぼこう)の短径は約1・7メートル、長径は約3・2メートルと、吉野ケ里遺跡で出土した一般的な石棺墓の1・5倍ほどあり、見晴らしのよい丘陵部に単独で埋葬されていることなどから、有力者の墓の可能性がある。吉野ケ里では、集落が巨大化した弥生時代中期後半~後期の有力者の墓は見つかっていなかった。
また、石蓋のうち2枚の表面…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル