同性カップルであることを言えず、隠れるように生きている人たちがいる。自分がありのままでいられるように――。そう願うカップルたちは、同性婚が認められることで生きやすい社会に変わるかもしれないと望みを託し、全国で展開されている訴訟の行方を静かに見つめている。
福岡県古賀市の30代の同性カップル、ゆうやさんとヒナノさんは、一緒に暮らし始めて5年になる。それぞれ元夫との間に生まれた子どもも一緒だ。だが、カップルであることはごく一部の人にしか言えずにいる。
以前、同僚が性的少数者のことを「差別するのも権利」と話すのを聞いてショックを受けた。周囲の目が怖くて地元では手をつないで歩けない。
「どっちが父親役?」と問われ、自分たちはまだ「異次元の存在」
2人は2021年、同性カップルとその子どもを家族として登録する「ファミリーシップ」制を設けた古賀市で、登録第1号となった。九州初の事例として注目されたが、このことも一部の人にしか知らせていない。
登録したことで、パートナーの子の親として通院に付き添ったり、学校や保育園に迎えに行ったりできるようになった。こうした制度ができたことはうれしい。周りの人たちからは理解が進んできたねと言われる。でも2人は「そこから先はまだまだ……」と口をそろえる。
実情を伝えた相手から、「ど…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル