名古屋市で、新型コロナウイルスに感染して入院が必要な人の入院先がすぐ見つからない事態が生じている。高齢者や中等症に移行しつつあるケースが目立ち、市の保健担当者は危機感を募らせる。
関係者によると、市内では8月7日以降、10人以上が入院待ちという状態が連日のように続く。重症化するリスクがある高齢者、軽症から中等症になりかけている人が数日間入院できない事例が続いているという。
13日時点では入院待ち19人で、肺炎像が確認され中等症とみられる人や血中酸素濃度が低い人、人工透析の人もいた。うち少なくとも13人は60~80代だった。市は計画上282床を確保するが、実際の入院者は117人(12日現在)。夏前に感染が一度収まったために別の病気の患者が入院し、病床が空くのを待つ必要などがあるという。
市は高齢者に感染が広がりつつあることを懸念する。愛知県内の7月30日までの1週間の新規感染者のうち60代以上は7%だったが、2週間後には23・9%に上昇。名古屋市が14日に発表した感染者50人では、60代以上が4割を占めた。
市によると、すでに緊急度が高い人の場合、市外での入院を調整するよう県に要請している。市の保健担当者は「連日夜遅くまで受け入れ病院を探し、いまは何とか入院できているが、追いつかなくなる可能性がある」と話す。
県内全体でも計画上791床を確保するが、入院中は323人で、57人が入院待ちだ。大村秀章知事は14日の記者会見で、名古屋市からの入院調整は「1~2日待ってもらうことはあるが、要請があれば対応できている」と説明した。(堀川勝元)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル