この冬一番の寒気が流れ込んだ影響で24日、各地で大雪が降り、岐阜県の名神高速道路では、最大約770台の車が立ち往生した。
中日本高速道路によると、同日午前9時10分ごろ、名神高速下り線の関ケ原インターチェンジ(IC、同県関ケ原町)付近で、トレーラー2台が雪の上でタイヤが空転する「スタック」の状態になった。最大約500台が立ち往生し、車列は6・6キロまで延び、上り線でも約270台(最大5・5キロ)が立ち往生した。発生から約14時間が経った同日午後11時時点でも、下り線の立ち往生は4・4キロ(約350台)にわたって続き、解消の見通しは立っていない。
地元消防によると、この影響で、同日午後9時までに、50代男性のほか、5歳と1歳の男児、計3人が体調不良を訴えて搬送されたという。
上り線でも、関ケ原IC付近でハイエースが自力では動けなくなり、その後ろに車両が5・5キロにわたって立ち往生したが、徐々に解消しているという。24日午後7時時点で、名神高速上下線の栗東湖南IC―岐阜羽島IC間で通行止めとなっている。
岐阜県土岐市から大阪方面に向かっていた会社員の男性(51)は、同日午前10時ごろから立ち往生に巻き込まれ、身動きが取れなくなった。その後も雪は降り続け、午後3時ごろには、中日本高速から、食料や簡易トイレなどの物資が配られた。朝日新聞の取材に対し、男性は「食事と、燃料の不安があります。先が見えず、念のため、エンジンを切ったり入れたりしている」と訴えた。
中日本高速は岐阜県に支援を要請。県は、5段階の防災体制のうち最大規模の「第二非常体制」で災害対策本部を設置。中日本高速も滞留した車に飲料水や携帯トイレを配布する支援をし、県も除雪車の手配や立ち往生している車に、食料を提供した。
県は、立ち往生が発生している関ケ原町に対し、災害救助法を適用した。また県は陸上自衛隊に災害派遣要請をし、除雪や乗員への水・食料の配布を求めた。
気象庁によると、24日午後4時時点で、12時間の降雪量は関ケ原町で57センチを観測。1997年10月の統計開始から、観測史上最多を更新したという。
25日午後6時までの24時間の予想降雪量は、多いところで、美濃山地で70センチ、美濃平地で50センチ。飛驒山地では70センチ、飛驒平地で40センチと予想される。
25日も東日本から西日本にかけて、日本海側を中心に大雪のおそれがあるという。(良永うめか、高絢実、保坂知晃)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル