囲碁の世界メジャー棋戦「第9回応氏杯」の準々決勝が11日に打たれ、日本代表の一力遼碁聖(23)が中国の陶欣然(とうきんぜん)八段(26)を破り、日本勢として3年ぶりの世界メジャー4強に進んだ。準決勝の相手は中国の謝科八段(20)。後日、先に2勝したほうが決勝に進む三番勝負で争う。
一力は20歳未満の世界戦で優勝しているが、年齢を問わないメジャー4強は初めて。今大会は日中韓台などから30人が出場。日本代表の6人はコロナ禍による渡航制限のためネット対局で打ち、第一人者の井山裕太棋聖(31)や芝野虎丸名人(20)が初戦で敗れるなど苦戦。ただひとり一力が1回戦から3連勝で勝ち残っている。
終局後、一力は「本局は後悔の手がなく、自分の中でもかなりいい碁だった」。準決勝で戦う謝は今年4月、同じく世界メジャーの「夢百合杯」準々決勝で敗れた相手。「借りを返せるようがんばりたい」
日本勢のメジャー4強は3年前の「LG杯」の井山以来。井山はこのとき日本勢として10年ぶりの準優勝を遂げた。かつて日本は世界で群を抜く囲碁強国だったが、1990年~2000年代に中国と韓国に追い抜かれた。日本のメジャー制覇は2005年「LG杯」の張栩九段(40)以来、遠ざかっている。(大出公二)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル