2月21日午後、東京・霞が関の司法記者クラブで弁護士4人が記者会見に臨んだ。賀川進太郎、伊藤真(63)、藤川智子(36)、星野大樹(48)だ。
「憲法秩序が無視される事態が起きているのに、裁判所は逃げている」。学生、社会人時代にアメフト選手だった賀川が、大柄の体を怒りで震わせた。
野党による憲法53条後段の臨時国会召集要求を政権が無視したことが憲法違反になるかどうかが争われた裁判で、東京高裁がこの日、原告の訴えを退ける判決を言い渡し、憲法判断を示さなかったからだ。
2017年、野党は国会で連日のように森友・加計学園問題を追及したが、会期は延長されずに終了した。このため、6月22日、真相解明を求めて衆参の野党議員が憲法53条後段に基づいて臨時国会の召集を要求した。しかし、当時の安倍政権は98日間にわたって応じず、臨時国会を開くと冒頭で解散した。
この安倍政権の対応を「違憲」とし、野党議員が原告となり、岡山、那覇、東京の各地裁に裁判を起こした。3件とも高裁判決が出たが、すべて訴えを退け、憲法判断をしなかった。舞台は最高裁に移った。
一連の裁判は、賀川と岡山訴訟の原告の元衆院議員、高井崇志(52)との食事中の会話から始まる。17年の夏、野党の反対を押し切り「共謀罪」法が成立し、国会が閉じた後だった。
高井が賀川に言った。
「努力を怠れば、憲法は死文化する」
「森友・加計学園の問題の追…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル