細沢礼輝
地震の本格的な揺れが来る前に新幹線を止める「早期地震検知システム」について、JR東日本と鉄道総合技術研究所は5日、最初の揺れの検知から送電を停止して非常ブレーキを作動させるまでの時間を従来の約3分の1に縮めることに成功したと発表した。2024年3月から新システムを導入するという。
早期地震検知システムは、伝わる速度の速い初期微動(P波)を検知して震源地や地震規模を推定。主要動(S波)が到達する前に影響が予測される沿線の送電を止め、走行中の新幹線に非常ブレーキをかける仕組み。
JR東によると、今回は、P波を検知した際にその振幅から地震規模を推定する方法を改善。より早く送電停止が必要かどうかを判断できるようになった。過去3年間に起きた13地震をみると、P波検知から送電停止までに平均3・9秒かかっていたが、新たな方法ならば3分の1の平均1・3秒に縮まるという。その結果、時速320キロで走行中の新幹線が止まるために必要な距離も約230メートル短くなった。
深沢祐二社長は「被害軽減には、走行中の新幹線を1秒でも早く止めることが重要。今回の改良は非常に大きな効果を持つと考える」と話した。(細沢礼輝)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル