1985年8月に日本航空のジャンボ機が墜落してから35年を迎えた12日、遺族たちが墜落現場の御巣鷹(おすたか)の尾根(群馬県上野村)に慰霊登山した。新型コロナウイルスの感染が広がる中、登山を見合わせる人も多く、参加した遺族はこれまでで最も少ない141人(50家族)だった。
マスク姿の遺族たちは午前8時ごろから標高1565メートルの尾根をめざして登り始めた。この日の登山は、密集を避けるため遺族と関係者に限定。慰霊登山の分散を促すため、日航も遺族を支援する日数を例年より増やした。
日航によると、12日に慰霊登山をした遺族は昨年の276人の約半数。台風で登山自体が中止になった86年を除き、過去最少だった98年と2003年の173人を大幅に下回った。日航の担当者は「コロナの影響で、登山を控えた方がかなりいた可能性がある」とみる。
12日夕にふもとで開かれた追悼式典の規模も縮小され、参列したのは村関係者や日航関係者など約20人だった。犠牲者数と同じ520本のろうそくに明かりがともるなか、参列者は墜落時刻と同じ午後6時56分に黙とうした。(贄川俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル