加戸靖史
戦前の軍用墓地として現存最大規模の旧真田山陸軍墓地(大阪市天王寺区)を「エコミュージアム」として生かす方向性を考えるシンポジウムが23日、大阪市中央区の大阪歴史博物館で開かれる。NPO法人「旧真田山陸軍墓地とその保存を考える会」(小田康徳理事長)が主催する。
日本陸軍創設後、最初の墓地として1871(明治4)年に開かれた真田山には、明治~昭和期に死亡した将兵の墓碑約5100基弱と、昭和期の約8200人の遺骨などが納められた納骨堂がある。
同会は、墓地を近代日本の軍事と戦争を伝える歴史遺産ととらえ、保存の必要性を訴えてきた。住民がかかわり、地域の文化財として生かしていく「エコミュージアム」と位置づけていく可能性を探るため、シンポを企画した。
基調講演では、国内外の博物館に詳しい栗原祐司・京都国立博物館副館長が「エコミュージアムと住民参加」をテーマに語る。
このあと、真田山のほか、信太山(しのだやま)忠霊塔(和泉市)、大正飛行場(現・八尾空港、八尾市)など府内各地の軍事・戦争遺跡の保存に取り組んできた人たちがそれぞれ活動を報告し、意見を交わす。
大阪歴史博物館4階講堂で、午後1時~4時半。定員180人で当日先着順。参加費500円(学生・院生100円)。問い合わせは小田さん(080・5349・4072)。(加戸靖史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル