大阪市を廃止し、4つの特別区に再編する大阪都構想の是非を問う大阪市民対象の住民投票(11月1日投開票)の結果は、府の広い地域に影響を与える可能性がある。府内市町村の首長からは明確な賛否のほか戸惑いや、「大阪市民の判断を注視したい」といった声が上がっている。 都構想について、東大阪市の野田義和市長はこれまで府市に対し「オール大阪というなら、(周辺市にも)情報提供してほしい」「賛成、反対を言える材料が、提示されていない」と不満を表している。 今月中旬に府が府内市町村の担当者を集めて開催した説明会も「優秀な職員に行ってもらったが、よくわからなかったようだ」と話し、「(大阪市民が)都構想の内容を理解されているのか」と疑問を呈す。 松原市の沢井宏文市長は「住民投票の結果を注視したい」とコメント。同市は東大阪市と同じく大阪市に隣接しており、都構想が実現すれば一定条件で特別区に移行できる可能性があるが、「大阪市の賛否が決定した後、はじめて市民と時間をかけて検討できるもの」と自身の賛否は明かしていない。 寝屋川市の広瀬慶輔市長は「(大阪市の投票結果で)寝屋川市にマイナスはない。府と大阪市がそれぞれ行ってきた『大阪の成長戦略』を権限と財源を合わせて府に集中させることで、府全体としては効果的な戦略を描くことができるプラス面がある」と分析。 富田林市の吉村善美市長は「自治体のありようについて住民が意見を表明するのは意義のあること。大阪市民の判断を見守りたい」。千早赤阪村の南本斎村長は「南河内エリア、村にとってもどう影響があるのか全く読めない」と話す。 大阪維新の会所属の市長らは都構想に賛成の立場だ。 枚方市の伏見隆市長は「人口減少が進む中、行政の広域化は課題対応に向けた一つ」、羽曳野市の山入端創(やまのははじめ)市長は「『グレーター大阪』の枠組みを進める必要がある」、池田市の冨田裕樹市長は「世界の大都市に負けない大大阪を構築することが必要」と期待を込める。 門真市の宮本一孝市長も賛成の立場だが、「出元不明の明らかなデマが横行しており、住民の混乱が見て取れる」と指摘している。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース