36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第15回公判が30日、京都地裁であった。最大の争点である刑事責任能力を巡り、青葉被告の精神鑑定をした医師2人が出廷し、裁判員らの質問に答えた。
青葉被告は起訴の前後に精神鑑定を受け、その結果が分かれた。検察側の請求で起訴前に鑑定した大阪赤十字病院の和田央医師は「妄想が犯行に与えた影響は限定的」と指摘。弁護側の請求で起訴後に鑑定した東京医科歯科大大学院の岡田幸之教授は「重度の妄想性障害で、妄想が犯行動機を形成し、犯行の背景に影響した」と説明した。
この日も両氏の見解がぶつかった。和田医師は、青葉被告の妄想について一貫性はなく、「その時の感情がその時の妄想に影響している」と述べた。一方、岡田教授は「京アニの女性監督に好かれている」「闇の組織とつながっている」といった妄想には相互に関係性があると指摘。「被愛(ひあい)妄想」「誇大妄想」と呼ばれるといい、青葉被告には「強固で、(自らでは)訂正できない思い込みが認められる」と証言した。
裁判員の一人は、岡田教授が…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル