京都水族館(京都市下京区)でこの秋、ハンドウイルカの赤ちゃんが生まれた。母親はイルカショーで人気のキア(推定13歳)。1年前の出産はうまくいかなかっただけに、安堵(あんど)の声が広がる。だが、その陰では、とある議論も起きていた。
赤ちゃんは9月30日に生まれた。性別は不明で、名前はまだ決まっていない。授乳が確認され、キアに寄り添うように泳ぐ姿が公開されている。「無事に生まれてほっとしています」。担当者はこう話す。
新たな命の誕生は、決して順調ではなかった。
キアの妊娠が初めて分かったのは、2020年11月のことだ。翌21年8月に赤ちゃんは逆子の状態で生まれ、わずか5時間後に死んだのが確認された。「当館にとって初めての出産だった」(広報担当者)という。
逆子のためおでこの噴気孔で呼吸ができず、うまく遊泳できなかったことが原因とみられている。
もう一つ、イルカファンの間…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル