杉山匡史
半世紀にわたって匿名の寄付を続ける「アコさん」に、島根県奥出雲町の町社会福祉協議会が感謝状を贈った。これまでに町長や県社協会長らも贈呈し、通算8回目の感謝状だが、今回も本人は現れず。姿のない善意の人に、感謝の気持ちを届けた。
寄付は1971年4月2日、「社会福祉の一助に」との一文と一緒に旧仁多町(現奥出雲町)の町社協に届いた。以来、毎月届く寄付の総額は、今年10月現在で340万円を超えた。
町社協は広報誌で匿名の主に基金の命名を呼びかけ、一度だけあった返信に「『アコ』として下さい」と記されていたため、「アコ基金」として積み立てている。基金を活用して町内に花を植える活動をし、福祉車両「アコまごころ号」も購入した。
感謝状は、10月30日に町民体育館であったアコ基金50周年記念行事で贈られた。手紙や600通を超える封筒も展示。社協の山本勝昭会長(78)が壇上で姿のない「アコさん」に向かって、「深い理解と温かい思いやりの真心は敬慕する。地域福祉の向上、充実に貢献した功績は極めて多大」と読み上げた。(杉山匡史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル