対面か、オンラインか、その両方か――。新型コロナウイルスの感染が子どもにも広がるなか、首都圏の私立や国立の中学・高校で、授業形態の判断が分かれている。緊急事態宣言が今月末まで延長されることが決まり、秋の行事のあり方にも頭を悩ませる。(柏木友紀、川口敦子、編集委員・宮坂麻子)
陽性者続出の学校、当面オンラインに
「またオンラインだけど……。仕方ない」。東京都内の私立高校3年の男子生徒(17)はため息をつく。
夏休み中、学校から3日に1度程度は「陽性者が出た」と連絡が入り、様々な部活が中止になった。過去にない多さだ。10月上旬までほぼオンライン授業だが、大学進学に影響が出ないか心配だ。「通学時間がなくなる分も、1人で勉強するしかない」
本郷(東京都豊島区)や日本大豊山(文京区)など、夏休み明けからオンライン授業を続けてきた私立中高は少なくない。ドルトン東京学園(東京都調布市)もオンライン授業で在宅が難しい生徒は登校して参加としてきたが、13日以降は分散登校で対面とオンライン授業のハイブリッド形式にする。足踏み式の消毒装置を20台増やし、感染対策を強化したという。
三田国際学園(世田谷区)も週2、3回、学年ごとに登校させて対面とオンライン授業のハイブリッド形式を取っている。今井誠副校長は「昨春の一斉休校時はずっとオンラインで、精神的に苦しいとの声も出た。定期的に登校させ精神面のフォローもしたい」。
目立つ対面 教育効果を重視
一斉休校時とは対応を変えて、対面授業で再開した学校もある。
昨年度は夏休み前まで双方向のオンライン授業にした広尾学園(港区)は、今回は1日から対面授業をしている。「オンラインでは、キャリア教育や海外との交流プログラム、医学や科学の実験など、授業以外の教育がなかなかできず、対面ならではの教育の価値も改めて感じた」と金子暁副校長。昨夏から、学校での感染が不安な生徒はオンライン授業も受けられる態勢を続けており、「集団感染などが起きれば、即日、全面オンラインに切り替える準備はある」という。
開成(荒川区)も、8日から対面で授業を開始した。昨年度行ったオンライン授業なども検討したが、家庭によって通信環境に差があるほか、実技科目や理科実験などを含め、オンラインでは学習効果にばらつきが出たりカリキュラムに遅れが生じたりした。「感染リスクと教育効果を考慮した上で判断した」
聖光学院(横浜市)も昨春はオンライン授業も行ったが、始業を6日に延期し、対面授業にした。「在宅でオンラインだと多くの場合、自身でのコントロールはなかなか難しい。生徒同士のコミュニケーションも大事で極力オンライン授業は避ける」という。
筑波大付属駒場(世田谷区)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル