政府は13日、低所得世帯の大学生らを対象に来年4月から新たに導入する高等教育の修学支援制度の費用として約4880億円を令和2年度予算案に計上する方向で調整に入った。5月に成立した「大学無償化法」に基づき、消費税率の引き上げによる財源を活用。2年度は約51万人の利用を想定している。「格差の固定化」が問題になる中、無償化で意欲ある学生の進学を後押しする。
支援制度は大学や短期大学などの授業料・入学金の減免と、日本学生支援機構が支給する給付型奨学金の拡充が柱。政府は平成29年12月に決定した政策パッケージで高等教育を無償化する方針を盛り込み、準備を進めていた。
制度の対象になるのは住民税非課税世帯など。大学無償化法によると、非課税世帯の場合、国公立大なら授業料のほぼ全額となる約54万円を免除、私立大なら最大約70万円を減額する。
進学前に本人の学習意欲などを確認するほか、進学後も修得単位数などに一定の要件を課す。来年4月の入学生だけでなく、在学生も対象になる。
文部科学省によると、大学や短大など高等教育機関には全世帯の約8割が進学している。ただ、住民税非課税世帯では4割程度にとどまっており、所得にかかわらず大学などに進学できる環境を整える。
令和2年度予算案ではこのほか、那覇市の首里城やパリの世界遺産ノートルダム寺院の火災などを受け、「文化財を護(まも)るための防災対策促進プラン」に前年度を10億円上回る約39億円を計上する見込み。国宝や重要文化財などの防災対策のため、消火栓などの消火設備や防火設備を設置した場合の費用を補助するほか、先進技術を使って文化財の劣化状況を確認するシステムの調査研究なども行う。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース