原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の受け入れをめぐり、長崎県対馬市の政治倫理審査会が、最終処分事業に関わる原子力発電環境整備機構(NUMO)による視察旅行に一部の市議が参加したのは、市政治倫理条例違反にあたるとする調査報告書をまとめた。NUMOは5日、国民理解の増進のため「重要な活動」とする談話を出した。
市が4日に公表した報告書によると、市議13人が2021年10月~今年4月、北海道や青森県六ケ所村の最終処分関連施設の見学に参加したとされる。交通費や宿泊費をNUMOが負担し、食費は議員の個人負担だったという。
政倫審は施設見学の費用負担は財産上の利益供与であると判断。「政治的または道義的批判を受けるおそれのある寄付にあたる」と結論づけた。
9月下旬に、市民から「企業団体などからの寄付および金品の授受にあたる」として調査請求があった。
これに対し、NUMOは5日の談話で、最終処分法に基づく政府の基本方針で、「国民理解の増進のため、研究施設等を活用した学習機会の提供等を積極的に実施する」とあることから、「地層処分事業に関心を有する方々であれば、どなたでも関連施設の見学の機会を提供している。当機構の重要な活動」と主張。
「これに伴う必要な費用の支出は、事業を実施する上で不可欠と考えている」とし、施設見学などの事業を続ける考えを示した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル