太陽光発電などの再生可能エネルギーが広がるなか、「仮想発電所」(VPP=バーチャルパワープラント)と呼ばれる仕組みが注目されています。地域に分散する小規模な発電設備や蓄電池などを一括で遠隔制御し、一つの発電所のように機能させるものです。
電気は、使う(需要)量と発電する(供給)量を一致させなければなりません。これが乱れると、機器の故障や停電につながります。送配電網をもつ大手電力会社が需要を予測しながら、火力発電所などの発電量を増減させることでバランスをとっています。
急拡大する再エネは、気象条件によって発電量が変動するため、需給の「調整」は課題の一つです。そこで、電気を使う側や小さな発電設備も「調整力」として利用しようと転換しました。
工場やビル、住宅などにある自家発電機や電気自動車(EV)、蓄電池、太陽光パネルといった機器をIoT(モノのインターネット)技術でつなぎ、「アグリゲーター」がまとめて制御します。
たとえば、発電量が足りなくなると予想した場合、発電機や蓄電池などから電気を放出してもらいます。こうした小さな電気を束ねることで、大きな発電所のように電気を生み出せます。
同じく足りない場合、電気を使…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル