足立優心
神奈川県横浜市で再生エネルギーの普及に向けた取り組みが進められている。市立小中学校の屋上などに太陽光パネルを設置し、自家発電・消費を行うもので、限られた土地を有効活用しながら、「脱炭素社会」の実現をめざしていく。
市によると、提携する東京ガスが太陽光発電の設備を学校の屋上に設置し、学校側がそこで作られた電気を購入する仕組み。学校側は設置のための初期費用負担や維持管理をせずに再生可能エネルギーを利用することができる。
今月から試運転を開始した中川西小学校(都筑区)の屋上には、81枚の太陽光パネルが敷き詰められている。最大出力は28キロワットで、年間2万9千キロワット時の発電を見込む。同校が使う電力の約15%がまかなえるという。同校の太陽光発電導入で、二酸化炭素(CO2)は年間12・8トン分削減されるという。
校内には蓄電池も設置されている。災害などで停電した際には蓄電池からの供給で防災無線や一部照明、コンセントなどを72時間程度使用できるという。
作り出した電気を無駄なく活用するため、4月からは、週末や長期休暇など学校が休みの間に発電した電力を市内の他の公共施設に供給していく。
市内で再生エネルギーの設備を大量に設置できる土地が限られるなか、市では今年度中に11校に太陽光パネルを設置することを決めた。来年度中には最大65校にまで設置対象を広げる予定という。(足立優心)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル