改選1議席を巡り与野党で事実上の一騎打ちとなった長野選挙区。羽田孜元首相の長男、国民・羽田雄一郎氏(51)と自民党新人の小松裕(ゆたか)氏(57)が激しい選挙戦を繰り広げている。同選挙区は与党と野党で1議席ずつ分け合ってきたが、2016年から改選定数が1に。32ある1人区では全て野党共闘で臨んでいるが、長野県では知名度で勝る羽田氏がやや優勢に戦いを進める。一方、自民党は衆院比例北陸信越の元職で医師の小松氏を公認。菅義偉官房長官(70)ら閣僚が続々と長野入りし、猛追する。(久保 阿礼)
「こちらが平成おじさん、あ、平成は小渕(恵三)さんでした。“令和おじさん”です~」。小松氏の応援に入った菅官房長官は選挙カー上で「違うよ」と苦笑した。
菅氏は有効求人倍率の上昇や訪日外国人観光客の増加など数字を次々と挙げ、安倍政権の実績を強調。小松氏への支援を求めた。聴衆からは「テレビで見たまんまだね」、「感激!」との声も上がった。9日は知名度の高い筆頭副幹事長の小泉進次郎衆院議員(38)が長野入り。陣営関係者によると、今後も閣僚や自民党幹部が続々と長野入りする予定だという。
長野で改選定数が2だった時代は、与党と野党が1議席ずつ分け合っていた。だが、16年から1人区に。前回は1人区で与党が21勝11敗と完勝したが、長野では議席を失った。当選3回の吉田博美参院幹事長(70)が引退したことで後継候補となった小松氏だが、約8か月しか準備時間がなかったという。選対関係者は「羽田さんの知名度は高い。時間が足りなかったのは事実だ」と嘆くが、参院2議席を失うと、次期衆院選への影響も懸念される。小松氏は「残りの1議席を争う戦いだ。2つとも野党の議席にするわけにはいかない」と訴えた。
◆参院長野選挙区 1947年の第1回を除き改選2議席を与野党で分け合ってきた。50年から92年(2回から16回)まで日本社会党と自民党の構図だったが、95年(17回)に新進党と日本社会党が議席を獲得。再び98年(18回)から自民、民主となった。16年から改選議席が1減り、野党が獲得。参院議席の独占を狙う野党とそれを阻む与党との対決となっている。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース