東京都の小池百合子知事は、都の新型コロナウイルス感染拡大を受けて2020年7月15日夕、緊急記者会見を開いた。 国が7月22日から実施する観光業促進策「Go Toキャンペーン」の是非について、「よーくお考えをいただきたい」「よーくお考えになるべき」など、「よーく」という表現を繰り返して国に問いかけた。 ■「医療が東京と同様のレベルではない、十分でない地域もある」 7月15日の新規感染の確認者数は165人で、7日連続で感染者が100人を超えた。こうした状況を踏まえ、都は15日午後に専門家によるモニタリング分析を実施。分析の結果、感染状況の警戒レベルは4段階中最高の「感染が拡大していると思われる」に引き上げ、医療提供体制については4段階中3段階目の「体制強化が必要であると思われる」状況を維持し、小池知事は「感染拡大警報を発すべき状況」との認識を示した。 22日からは「GoToキャンペーン」が開始されるが、都内から地方へ感染が広がることへの懸念もある。小池知事は、キャンペーンについて「現在の感染状況を踏まえますと、実施の時期・方法については、改めて『よーく』お考えをいただきたい」と見解を示した。 記者からの質疑応答では、キャンペーン実施の是非を問われた。小池知事は「国の政策でございますので、どういう政策がいいのかは国によってお考えいただければと思います」としつつも、「都民の皆様方には不要不急の外出をお控えいただく方がいいのではないだろうか」とコメント。また、地方では「医療が東京と同様のレベルではない、十分でない地域もある」とし、キャンペーンの実施については「『よーく』お考えになるべきだと思っております」と語った。
キャンペーン準備時と「状況が変わってきている」
その後は別の記者が、キャンペーンの延期が良いかどうかについて「はっきり(見解を)お願いできますでしょうか」と小池知事に問いかけた。小池知事は「東京都内におきましても、観光産業の皆さまは大変厳しい状況に置かれている。連休が始まったり、夏休みのシーズンでございますので、(キャンペーンは)それを狙ってのことだというのは理解している」としつつも、「それ(キャンペーン)が準備された頃と、今と、少し状況が変わってきているのではないだろうか」と実施のタイミングを疑問視。 そして、 「(国は)『よーく』お考えいただく必要があるのではないか。『よーく』お考えいただいた結果、延期になるのか、地域を限定するのか。それは一番いい方法を考えていただきたい」 と、またしても「よーく」というワードを使って国に問いかけた。 加えて、22日に予定通りキャンペーンが始まることが決定した場合の捉え方について聞かれると、「都民の皆さまが都外に出ることをお控えになることについては、キャンペーンとしてフルスペックにならないのではないか」とした。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース