成年後見制度を利用した障害者らの就業を制限する警備業法の「欠格条項」の規定が、憲法に違反するかが争われた訴訟の判決で、岐阜地裁(鈴木陽一郎裁判長)は1日、職業選択の自由などを保障した憲法に違反するとの判断を示した。そのうえで、警備員の仕事を失った知的障害がある男性に10万円の損害賠償を支払うよう国に命じた。
成年後見制度利用者の欠格条項は、働く権利の侵害で同制度の利用促進を妨げるとして、2019年に削除する一括法が成立し、警備業法を含む約180の法律が改正されている。原告弁護団によると、当時の欠格条項を違憲とする判決は初めてという。
岐阜県に住む30代の原告男性は14年から警備会社に勤務し、交通誘導に従事。親族との金銭トラブルが起きたため、財産管理目的で17年から成年後見制度を利用したが、欠格条項のため警備の仕事ができなくなり、退職を余儀なくされた。18年1月に「成年後見制度は財産管理の能力を判断するもの。警備の仕事ぶりにまったく問題ないのに、制度を利用したことで失職するのは不合理」と提訴していた。
判決で鈴木裁判長は、成年後…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル