昨年のNHK連続テレビ小説「エール」で、大会歌「栄冠は君に輝く」を歌う姿が印象的だった、俳優で歌手の山崎育三郎さんに、夏の甲子園にかける高校球児への思いなどを聞いた。
6年生で全国大会出場
――子どもの頃の野球経験について教えてください
小学1年の時に兄に連れられて地元の野球チームに入りました。僕はもともと甘ったれで、おとなしい性格だったんですけれども、野球に行くとみんなで声を出すとか、グラウンドには一礼してから入るとか、お兄ちゃんたちに対して敬語を使うとか、監督にしっかりあいさつをするとか。そういう礼儀みたいなものをすごく学んだ気がします。
――野球の面白いところは
4年生の時に1~4年生チームのキャプテンになったんですね。「声出していこうぜ」と言ったり、チームメートを応援する歌をみんなで練習したり。「チームで団結してやるんだ」とチームをまとめ出してから、野球に対する自分の意識が高まって、野球が面白いなと感じました。
6年生になったら、旧西武球場であった全国大会で活躍できる選手になりたいなという思いがあって。2歳下の弟と2歳上の兄の3人でチームの練習日以外も毎日公園に行って、キャッチボールやノック、バッティング練習をして、本当に野球漬けでしたね。
6年生の時に東京都港区の大会で優勝。全国大会に出場して、ピッチャーとキャッチャーをやってベスト8まで行きました。
だから、子どもの頃は甲子園出場が夢でしたし、プロ野球選手も夢でした。
――ミュージカル俳優への転機は
野球と同時に週1回、近所の歌のレッスンに通っていました。6年生の時に音楽教室の方から、作曲家の小椋佳さんが企画された、子どもを主演にしたミュージカルの全国オーディションを受けてみないかと誘われました。3千人の子役が集まる全国オーディションで、ただ歌が好きな野球少年の僕が主演に選ばれました。
野球チームの監督からは「両立できる世界じゃないから、どっちかに決断しろ」と言われて。その時に野球への思いがすごい強いまま、ミュージカルの世界に入っていきました。
「イク、試合に出たいか」
――その後、野球は
中学3年間はミュージカルの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル